月桃パーラーでは仮説を立ててそれに基づいて研究を行っています
研究は失敗に終わることもありますが、何より楽しいです
2012年 失敗例
まず、一番失敗であったのは剪定です
剪定とは木の散髪であります
2011年は結構うまい具合に出来たのですが
2012年はちょっと沢山切り詰めようとして
バンバン切ったのが良く無かったみたいで、2011年度の3分の2ほどでありました
さらに肥料
家の残飯をドンドン埋めましたが
埋めたところからドンドン野生動物に掘り返されて食べられてしまいました
2015年 2013年の年は豊作だったので気を良くしてさらに芽かきを行いました。すると受粉に失敗した木が多くなって果実は減ったけど木が大きくなりました。そして15年、やっぱり受粉に失敗しました。芽かきをするとその分花粉も少なくなって受粉失敗率が上がることがわかりました。木は元気になりますが・・・。やはり果実を収穫するために育てているのでそれではいけません。ちょっと人口受粉を考えています。
●草生栽培
普通桃は草を生やさず、藁などをかぶせてマルチングするという栽培スタイルですが
月桃パーラーでは草を生やしています。
一般的には草生栽培というのは約5センチ位に切りそろえて
背の高い草を抑制しつつ、地面の水分保持、土がカチカチになるのを防いでくれます
また、冬には枯れるのでそこに生えてあった根が腐り、土中の栄養になり、そこに空洞ができるために奥深くまで酸素が行き渡り、結果、土がフカフカになるという栽培方法です
ただし、病虫害も発生しやすく、その調節は結構難解であります
月桃パーラーでは6月までは草刈をしません
それによって、カラスノエンドウ畑かというくらいカラスノエンドウが繁茂しまくります
5月の終わり頃、そのカラスノエンドウは実を付けて種を飛び散らせると、一気に枯れていきます。その後、夏草(背が高いです)が生えて来るので、花が咲いたら地表30センチぐらいのところで切ります。
そうやって草を生やし続けるので勿論除草剤は使いません
除草剤はなぜだかミミズがいなくなります
除草剤を撒いた土は見れば大体わかります
そうやって4年目になりますが、土がほんとにフッカフカになってきました
●減農薬
桃において農薬は必須です
大体一週間に一回は散布することになってます
この桃農薬においてどうにか減らしていこうと活動しています
減農薬は手間がかかります
農薬を散布する代わりに他のものを散布します
農薬を減らすと、その分余計に他のものを散布しなければ病気になったり、虫に食べられたりします
散布するものは海水(0.3%ぐらい)、木酢、乳酸菌(ヨーグルト、ヤクルトなど)納豆菌(納豆をぬるま湯でエアレーションして増やします)、えひめI(乳酸菌、納豆菌、酵母菌、砂糖などで発酵させている菌液)などを自家生成しています
大体、3日に一回はなにかを撒いています
第二圃場はネットでおおいました。
●枝吊り上げ
桃が甘いか甘くないか
そんなものは食べてみないとわかりません。
もしくは何百万かする光センサーにあてることです。
光センサーは買えません。
でも、甘くない桃は送り出したくはありません。
では、どうすれば甘い桃が出来るのか。
草を生やす?農薬を減らす?肥料を上等なものに?
いろんな案はありますが、草を生やさなくても、農薬漬けにしても、化学肥料で育てても甘い桃は作ることが出来ます。むしろそっちのほうが効率的であるといえるでしょう。
決定的なものは光合成です。光を葉っぱに当ててエネルギーを作り、そいつを糖に変換して果実に蓄えているのです。
光が当たらない葉っぱは維持費だけかさんでいくものになってしまいます。どれだけ葉っぱがあろうとも光が当たらなければ糖分も生成できませんし、枯れてしまいます。
なので、すべての葉っぱが無駄にならないように枝を吊り上げています。
ふつうは実をつけた重さで枝が折れてしまわないように要所要所吊り上げたり、支えをつけたりしたすが、一枝一枝つりあげるのはどこもやってないと思います
しかして、今年はやりました。
そんなものは食べてみなくてはわかりません。
そして皆様に送った桃も甘いかどうか確証はありません。
ですが、できた結果甘かった桃ではなくて
甘くするために作った桃をご賞味してください